2.飲み明け

 彼の友人達と久々に飲んだ。

 みんな基本的に狂っているので私なんかにも優しく対応してくれる。

 酒をガバガバ飲む私を彼が止めるので暴れた記憶がある。そこから先は覚えてない。

 起きたら食べかけのうどんと散乱した私の服があり怖くなったが誰も何も言ってこないのできっと皆んなが寝静まった後に脱いだと思いたい。

 トイレもしっかりトイレにしていた。今回の飲みは私が人間でいられた飲み会だった。

 二日酔いもなくゲロもせずとてもいい飲み明けになった。

 そして友人の彼女にナンパした記憶もある。先程交換した記憶はないがLINEがあったので謝っておいた。反省できる人間だがこの反省が酒が入った瞬間無くなってしまうのが駄目なところでもある。

 外で飲んだ時も毎回知らない綺麗な女性とInstagramを交換している。綺麗な女性のインスタのストーリーは見ていて楽しいので毎回交換して良かったと思ってしまう。

 友人にはよく女の身体に入ったおじさんと言われる。

 

 それもそのはず私の中にはおじさんがいる。それも40代くらいのおじさんが。

 下品な会話が好きだし何よりも女性に目がない。お金があれば飲み屋で知り合った女性に金銭を渡してしまう。綺麗でいるのにもお金がかかるでしょうとかほざいて。

 

 そんなおじさんを飼っていることで1番困る瞬間がある。温泉に行った時だ。単純に目のやり場に困る。私以外にも心におじさんを飼っている人が居たらと思うと私の裸体を見られたくない。私は他人の痛みがわかる人間でいたい為他人にそんなセクハラをしないよう浴室内では自分の足元を見て温泉を利用している。

 皆はこのような悩みを持っていないだろう。そんな皆に知って欲しいことがある。それは、施設内で1番危険なのは浴室でないことだ。

 目のやり場に困ると言っても先述したように足元を見ていれば回避するかができる。脱衣所だってそれで乗り切れる。

 しかしドライヤーのスペースを思い出していただきたい。

 なんだあそこは、施設にもよるが大体が鏡張りではないか。ふざけているのか?

 自分の髪に注目したところで視界に映るのは浴室から出てきて少し濡れてる方々や脱衣所の様子だ。これは不可抗力である。

 今までの足元を見るやり方で逃れようとしてもドライヤーしてるときに真下を向く瞬間なんてなかなかない。異常者だと気付かれしまう恐れがある。

 その為、場所取りが重要になってくる。脱衣所や浴室への入り口すら死角になるスペースは存在している。そこを狙うしかない。

 しかし、場所取りに失敗するケースもある。先約がある場合や、その死角スペースにドライヤーが設置されてないパターンがある。

 そんな時には諦めて目を瞑りドライヤーをするのだ。

 最初から目を瞑ればいいと思ったであろう。いや、普通に怖いじゃないか、自室以外で目を瞑るのは。だから最終手段なのだ。

 

 今回もこのくらいにしてやめておこう。

 飲み会の話がまさか風呂の話になるとは思わなかっただろう。

 皆に読んでみて良かったと思ってもらえるように頑張ってみた。

 そして文豪ごっこができて楽しかった。

 

 ここまで読んでくれた方へ。私の文章に時間を割いてくれてありがとう。